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あまりに美しく、
そして残酷なひとつの約束
15歳の少年イゴールが交わしたひとつの約束。彼にとって、その約束を守ることは、父親に反抗し、自分自身の人生を選択する事になる。誰もが少年期に通過しなければならない、父親の価値観・人生観からの独立。約束を果たすという美しい瞬間は、父親にとっては残酷な瞬間でもある。その瞬間を厳しく、かつ暖かいまなざしで見つめ、世界中の心を揺さぶった作品が『イゴールの約束』である。不法滞在外国人という現代的な題材から、「人との約束」「父と息子の葛藤」といった普遍的なテーマを見事に昇華させている。

世界中の心を揺さぶる“約束”
  1996年カンヌ国際映画祭監督週間、『イゴールの約束』は上映終了と同時に満場の拍手に包まれ、国際芸術映画評論連盟賞を受賞する。その後もニューヨークをはじめ世界中の映画祭で絶賛され、フランスの監督アルノー・デプレシャンは「96年の映画では『イゴールの約束』と『奇跡の海』が最高だ」と語った。ドキュメンタリーからスタートした監督のダルデンヌ兄弟は、その登場人物から一切のセンチメンタリズムを削ぎ取る独特な演出をもって世界の第一線に踊り出た。