レビュー

孤独と悲しみ、死についての映画なのに、『おみおくりの作法』は驚くほど私たちを勇気づけてくれる。
そして、私たちの警戒心を解き、感情を奮い立たせる。

★★★★★ ムーヴィーレヴュー・ドット・コム


他の作品ならば脇役になるような目立たない主人公を厳格なスタイルで追った『おみおくりの作法』は、安易なカタルシスを避けながらも、ラストシーンで思いがけない感動を見る者に与える。

★★★★★ シドニー・モーニング・ヘラルド


悲劇的な人生の中でも、未来に希望を見出すこと―この映画は儀礼と思いやりを巡る、人生肯定の物語だ。エディ・マーサンの忘れがたい演技が物語を支えている。マーサンはそのうつむきがちな、しかし誇り高い両肩に、この映画の誠実な魂を担っている。『おみおくりの作法』はあなたに生と死について考えさせる。
もし私がほんの少しでもジョン・メイのように生きられたら、それは私が誇りをもって後世に遺すことができる遺産となるだろう。

★★★★★ リール・ワールド


この映画には昨今の映画には見られない、物静かで品の良い美しさが備わっている。

★★★★★ ヘラルド・サン


『おみおくりの作法』は静かな均衡のとれた映画だ。
いい意味でオールド・ファッション、まるでイーリング・コメディ。エディ・マーサンは比類なき素晴らしい演技で、英映画最良の伝統的なキャラクターを生き返らせた。
その演技はアレック・ギネスに匹敵する。

★★★★★ シドニー・モーニング・ヘラルド


ウベルト・パゾリーニは人の死にゆく道を厳粛な歩み以上のものにし、死へ讃歌を奏でる。差し迫る結末を私たちは決して避けられないが、『おみおくりの作法』は死の瞬間に美しさを見出している。
人の命の短さという永遠の悲劇、社会が拡大するにつれ人の繋がりは薄れてゆく……
それでも、この映画は失うものよりも得るものを称えるのだ。

★★★★★ スクリーン・アーツ・ハブ

素晴らしい構成。個性的で、親しみやすいダークなコメディ。
エディ・マーサンの印象的な演技が命と深みを与える。

★★★★★ スクリーン・デイリー


小津安二郎への敬意が込められた『おみおくりの作法』は、几帳面な主人公の生き方を表わすショットを積み重ね、静的なイメージを捉えている。

★★★★★ シネエウロパ


静かなシーンが積み重なり、最後にはささやかだけれどもあたたかな感動が待っている。
美しく組み立てられたイメージは、この映画の飾り気のない美しさのほんの一例に過ぎない。
本作で初主演を果たしたエディ・マーサンは、サイレントに近い演技を全身で演じている。
ジョアンヌ・フロガットの演技も心地よい。

★★★★★ ジ・オーストラリアン


この映画には、ほのかなユーモア、繊細な美術、自然で無理のないリズムがある。
良く練られたシナリオに基づく、手作りの映画。偉大なポーランドの映画作家クシシュトフ・キェシロフスキが生きていたら、自分の弟子をここに見出しただろう。
デビュー間もないにも関わらず、死を真っ向から扱うような作家には、敬意を表してしかるべきだ。
大抵の映画監督は、そこまで達するのに一生かかるのだから。

★★★★★ シドニー・モーニング・ヘラルド