―あの夏、私の隣にはヨーコさんがいた。
サイドカーに犬
竹内結子主演最新作。根岸吉太郎(『雪に願うこと』)監督作品。主題歌:『Understand』YUI
2007年6月23日、シネスイッチ銀座、アミューズCQNほか全国ロードショー!
監督
根岸吉太郎
主演
竹内結子
出演
古田新太・松本花奈・谷山毅・ミムラ・鈴木砂羽・トミーズ雅・山本浩司・寺田農・温水洋一・川村陽介・松永京子・伊勢谷友介・樹木希林・椎名桔平
原作
長嶋有(「猛スピードで母は」より「サイドカーに犬」文藝春秋刊)
製作
「サイドカーに犬」製作委員会
配給
ビターズ・エンド、CDC
2007/Japan/Color/95min/35mm/1:1.66/dolby SRD
イントロダクション
竹内結子のカッコよさに惚れぼれ!
2年ぶりとなる映画出演で竹内結子が演じるのは、煙草をスパスパ吸って、性格はさばさば、大らかで気の強い女性、ヨーコ。ドロップハンドルの自転車を颯爽と走らせ、お上品なルールとは無縁、自由な精神にあふれた女性だが、繊細な優しさも併せ持っている。この男勝りで懐の深いヨーコを、竹内結子は惚れぼれするほどのカッコよさで演じて、まったく新しいイメージを表出。ぶっきらぼうな物言い、ときどき見せる少女のような笑顔、凄みのきいた睨み顔、そして心打たれずにはいられない泣き笑いのシーン─どの表情も、人の心の痛みを知る女性ならではの深みある輝きに満ちて、女優としての、そして大人の女性としての、竹内結子の格段の成長を観客の心に刻みつけるのだ。
芥川賞作家・長嶋有のデビュー作を、名匠・根岸吉太郎監督が映画化
原作は、「猛スピードで母は」で第126回芥川賞を受賞した長嶋有のデビュー作にして、第92回文學界新人賞に輝いた「サイドカーに犬」。監督は、前作『雪に願うこと』で第18回東京国際映画祭史上初の4冠を獲得し、キネマ旬報ベスト・テン、毎日映画コンクール、報知映画賞、日刊スポーツ映画大賞など、多くの映画賞で監督賞を総ナメ、2006年度の日本映画界の話題をさらった根岸吉太郎。ヨーコと、ヨーコによって自分の世界を広げる10歳の少女・薫、そして彼女たちを取り巻く人々の心の機微を、繊細なタッチでていねいに掬いあげていく、味わい深い傑作の誕生だ。
個性を尊重しあって絆をつくりあげていく、爽やかな感動作
不動産会社の営業として真面目に働く30歳の薫が、20年前にヨーコさんと過ごした刺激的な夏休みを回想していく。小4の夏休みのはじめ、父と喧嘩が絶えなかった母が家を出た。その数日後に薫の家に突然やって来たヨーコさんは、神経質な母親とは対照的な大らかな人で、長女らしい生真面目さを持つ薫には驚きの連続。でもヨーコさんは薫を子ども扱いすることなく、薫の長所を鋭く見抜き、「尊敬する」なんて言葉までさらりと、そして真剣に言う。そんなヨーコに、それまで甘え下手だった薫も知らず知らず影響され、ありのままの自分をのびのびと解放させる楽しさを味わっていくのだ。
絶妙なキャストが次から次に登場
家族の中でも遠慮がちな少女、薫。表面的には喜怒哀楽に乏しいが、心の中ではいろいろな考えをめぐらせている、その内面の豊かさを松本花奈はごく自然に表現して、抜群の演技力を披露。高峰秀子をも髣髴させる名子役の誕生を確信させてくれる。薫の父親の、頼りないようでいて自分らしい生き方を貫いている誠には古田新太。掴みどころのない男の優しさを独特の魅力で際立たせている。さらに、ミムラ、鈴木砂羽、トミーズ雅、山本浩司、寺田農、温水洋一、川村陽介、松永京子、伊勢谷友介、樹木希林、そして椎名桔平などの絶妙なキャストが各シーンを楽しませてくれる。出演場面が少ない面々も、それぞれに役の人物が歩んできた人生を垣間見せて、ヨーコと薫の世界を豊かに彩っていく。
魅力満載の、1980年代初頭の近レトロ・ワールド
ヨーコと薫がともに過ごした夏休みは1980年代はじめの設定。薫が“歯が溶ける”から飲むことを禁止されていた「コーラ」をヨーコは躊躇なく買い与えるが、その缶も今では懐かしい細い250mlタイプ。薫の父親が「ノーパン喫茶」から安く買い上げてアパートに持ってくる「パックマン」は、1980年にナムコ(現・バンダイナムコゲームス)が発表したコンピュータ・ゲーム。薫と弟の透が大好きなお菓子、「麦チョコ」は、その名の通り膨らませた麦をチョコでコーティングしたもので、どの世代にも懐かしい駄菓子屋さんアイテムの一つだ。また、映画の中では明言されないが、薫たちの住むアパートは国立市にある設定。今は解体されてしまった三角屋根の国立駅舎の懐かしい姿も映されている。ヨーコが薫を誘って近所にあるはずの百恵ちゃんの家を探しに行くシーンでは、80年に芸能界を引退した山口百恵の大ヒット曲「プレイバックpart2」を歌い、市営グランドでは(RCサクセションの)キヨシローが好きと、名曲「いい事ばかりは ありゃしない」(80年に発表した5枚目のアルバム『PLEASE』収録)を熱唱。世の中はこれからバブルが始まる頃合だが、薫の父もその遊び仲間たちも危ない仕事に手を染めていて、バブル感は希薄なのも、オツな(?)ところだ。
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