傷ついた心 北海道の大地の上、人のぬくもりに触れ、また、歩き出す───。

東京でのビジネスで成功を垣間見ながらも、経営していた貿易会社を倒産させてしまった矢崎学。妻からも絶縁され、一流の生活も友人たちの信頼もすべて失った彼は、故郷の北海道・帯広に戻るしかなかった。“ばんえい競馬”の厩舎を細々と運営する兄・威夫(たけお)のもとで暮らしはじめた学が寝起きをともにするのは、個性的な厩舎の仲間。

そしてまるで自分と同じように崖っぷちに立たされた、成績が振るわずに処分される運命のウンリュウをはじめとする馬たち。やがて学は命のぬくもりにあふれた厳しくも地に足のついた生活のなかで、自分の弱さと向き合い、新しい一歩を踏み出す足がかりをつかんでいく……。