DIRECTOR

監督・脚本・編集・音楽 半野喜弘 Yoshihiro Hanno

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半野喜弘

1968年1月22日生まれ・大阪府出身。

ジャズ、ヒップホップの音楽活動を経て、1997年ヨーロッパで発表されたエレクトロニックミュージック作品で注目を集める。

98年、ホウ・シャオシェン監督自らの抜擢により『フラワーズ・オブ・シャンハイ』の映画音楽を手がけ、フランスをはじめとする海外メディアから「新たな映画音楽作家の発見」と評価を受ける。ジャ・ジャンクー監督も、その音楽に魅了された一人。「いつか半野喜弘と仕事をしよう」と自分に言い聞かせたという。そして、ジャ監督の長編第二作『プラットホーム』(00)で音楽を担当。皮膚感覚で世界を捉え、音楽として表現する独自のセンスをジャ監督に絶賛される。
その後も、『ミレニアム・マンボ』(01/ホウ・シャオシェン監督)、『プラスティック・シティ』(08/ユー・リクウァイ監督)など、アジアの名匠たちと共同作業を重ね、『四川のうた』(08/ジャ・ジャンクー監督)では、第3回アジア・フィルム・アワード最優秀作曲賞にリン・チャンと共にノミネートされている。

2000年パリへ活動の拠点を移し、03年に発表したアルバム「Lido」では、ジョン・ケージの作品で知られるジョアン・ラ・バーバラやアート・リンゼイらヴォーカリストを起用し、高く評価される。
2007年、スイスに半年間滞在して初のオーケストラ曲を作曲・初演。
2013年、スウェーデンのヨーテボリ・オペラからの委嘱により新作モダンダンス「InterfacialScale(オーケストラと電子音のために)」(振付:梅田宏明)の為のオーケストラ作品を作曲・初演。日本国内での音楽活動としては、坂本龍一と共にテレビドラマ「永遠の仔」(01)の音楽を担当したほか、アルバム「Angelus」では細野晴臣、ハナレグミ、原田郁子(クラムボン)、中納良恵(EGO-WRAPPIN')、坂本美雨などとコラボレーション。中谷美紀、UA、持田香織、大橋トリオなどのプロデュースも行っている。

半野喜弘名義の活動以外にも、ダンスミュージックにフォーカスしたRADIQ、田中フミヤとのテクノ・ユニットDartriixとしての活動など、ジャンルやフォーメーション、国境を超えた創作活動を積極的に行っている。

2011年には柿本ケンサクと共同脚本・監督で窪塚洋介主演の映画『UGLY』をパリで撮影し、映像製作をスタート。その後に短編映画「幻の曳航」(13/未)ほか、PVの監督も行っている。パリで出会った盟友・青木崇高を主演に迎えた『雨にゆれる女』で長編デビューを果たす。映画音楽を手がけた近作に、ジャ・ジャンクー監督『山河ノスタルジア』(15)、行定勲監督『ピンクとグレー』(16)、森義隆監督『聖の青春』(16)。現在も国内外でのプロジェクトが進行中。

映画・映像音楽作品

1998
『フラワーズ・オブ・シャンハイ』(監督:ホウ・シャオシェン)*
2000
『プラットホーム』(監督:ジャ・ジャンクー)
2001
『ミレニアム・マンボ』(監督:ホウ・シャオシェン)*
2001
「カノン」(監督:行定勲)WOWOW映画
2001
「永遠の仔」読売テレビドラマ/坂本龍一共同制作 *
2003
「All Tomorrow’s Parties」(未)(監督:ユー・リクウァイ)*
2006
「家門」(監督:チェン・ユー)中国テレビドラマ
2008
『プラスティック・シティ』(監督:ユー・リクウァイ)*
2008
『四川のうた』(監督:ジャ・ジャンクー)*
2008
『Beautiful Crazy』(未)(監督:リー・チーイェン)*
2009
『ACACIA』(監督:辻仁成)*
2011
『UGLY』(監督:柿本ケンサク、半野喜弘)
2011
『Blow Fish』(未)(監督:リー・チーイェン)
2012
『人間万事塞翁が犬』(監督:リー・ティエンジュエ)
2013
「春夢」(未)(監督:ヤン・リーナー)
2014
『真夜中の五分前』(監督:行定勲)*
2015
『山河ノスタルジア』(監督:ジャ・ジャンクー)*
2016
『ピンクとグレー』(監督:行定勲)
2016
『聖の青春』(監督:森義隆)

作曲作品

2005
「POLYGONALOOP(ピアノとビブラフォンのために)」 横浜みなとみらいホール委嘱作品  横浜みなとみらいホールにて初演
2006
「Fragments, Parallel Timelines for it to tie(for 32speakers)」 INA-GRM/RADIO FRANCE委嘱作品 パリ、オリヴィエ・メシアンホールにて初演
2007
「Zero」(映像:黒川良一)
2007
「航跡(オーケストラのために)」
スイス、第32回ヴィンタートゥール音楽祭にて初演
2010
「Black & White」 映像:甲斐田祐輔
2013
「Interfacial Scale(オーケストラと電子音のために)」 振付:梅田宏明 ヨーテボリオペラ委嘱作品

ディスコグラフィー

1998
「Portrait of a Poet」「Liquid Glass – Yoshihiro HANNO meets Mick Khan」「」
1999
「Cirque – Multiphonic Ensemble」
2000
「Music on Canvas #1 april」
2001
「Music on Canvas #2 april REMIXIES」
2002
「9 modules.+」「Music on Canvas #0 esquisse 1996」
2003
「Lido」「ES:」
2005
「SLIDE-Yuki Kawamura(visual), Yoshihiro HANNO(music)」「Angelus」

映画・映像音楽作品

1998
『フラワーズ・オブ・シャンハイ』(監督:ホウ・シャオシェン)*
2000
『プラットホーム』(監督:ジャ・ジャンクー)
2001
『ミレニアム・マンボ』(監督:ホウ・シャオシェン)*
2001
「カノン」(監督:行定勲)WOWOW映画
2001
「永遠の仔」読売テレビドラマ/坂本龍一共同制作 *
2003
「All Tomorrow’s Parties」(未)(監督:ユー・リクウァイ)*
2006
「家門」(監督:チェン・ユー)中国テレビドラマ
2008
『プラスティック・シティ』(監督:ユー・リクウァイ)*
2008
『四川のうた』(監督:ジャ・ジャンクー)*
2008
『Beautiful Crazy』(未)(監督:リー・チーイェン)*
2009
『ACACIA』(監督:辻仁成)*
2011
『UGLY』(監督:柿本ケンサク、半野喜弘)
2011
『Blow Fish』(未)(監督:リー・チーイェン)
2012
『人間万事塞翁が犬』(監督:リー・ティエンジュエ)
2013
「春夢」(未)(監督:ヤン・リーナー)
2014
『真夜中の五分前』(監督:行定勲)*
2015
『山河ノスタルジア』(監督:ジャ・ジャンクー)*
2016
『ピンクとグレー』(監督:行定勲)
2016
『聖の青春』(監督:森義隆)

作曲作品

2005
「POLYGONALOOP(ピアノとビブラフォンのために)」
横浜みなとみらいホール委嘱作品 
横浜みなとみらいホールにて初演
2006
「Fragments, Parallel Timelines for it to tie(for 32speakers)」
INA-GRM/RADIO FRANCE委嘱作品
パリ、オリヴィエ・メシアンホールにて初演
2007
「Zero」(映像:黒川良一)
2007
「航跡(オーケストラのために)」
スイス、第32回ヴィンタートゥール音楽祭にて初演
2010
「Black & White」
映像:甲斐田祐輔
2013
「Interfacial Scale(オーケストラと電子音のために)」
振付:梅田宏明 ヨーテボリオペラ委嘱作品

ディスコグラフィー

1998
「Portrait of a Poet」「Liquid Glass – Yoshihiro HANNO meets Mick Khan」「」
1999
「Cirque – Multiphonic Ensemble」
2000
「Music on Canvas #1 april」
2001
「Music on Canvas #2 april REMIXIES」
2002
「9 modules.+」「Music on Canvas #0 esquisse 1996」
2003
「Lido」「ES:」
2005
「SLIDE-Yuki Kawamura(visual), Yoshihiro HANNO(music)」「Angelus」

DIRECTOR'S MESSAGE

『罪』は我々が気づかぬうちに我々の人生の中に存在しています。私はこの命題を『他者として生きる』というサスペンス構造の中で、逃れられない喪失を抱えた男女の贖罪の物語として描こうと考えました。
この映画の根源的なテーマは『生きるという事は完璧なまでに不公平である』ということで、彼らが夢みたものは、我々が気にも留めないありきたりな日常であるということなのです。彼ら二人の苦しみと悲しみを通してあたりまえに存在する日常の豊かさと素晴らしさをあぶりだし、その価値を観客に伝えたいのです。

私は十数年に渡り、ホウ・シャオシェン、ジャ・ジャンクーといった才能豊かな監督達と音楽家として作業を共にし、彼らから多くの事を学ぶ一方で、私自身が欲する創作の形態が音楽のみで表現できるものではなくなってゆく過程を経験しました。私は音楽=音を創作する際に映像/色彩を想像し、映像/色彩を見た時に音楽=音を想像します。つまり、私の中でこの二つのものは表裏一体で、同じ時間軸を内包する芸術として近親関係にあるものです。そう考えたとき、私の次の目標が映画製作に向かったという事は自然な事だったのだろうと考えています。脚本を作る作業は、メロディーを紡ぐ作業のようであり、俳優/ロケ場所選びは楽器選択、演出は和声や音の配置を決める作業、編集とはリズムや緩急のようです。つまり映画全体を俯瞰し創作する事は、私にとって交響曲を作り上げる作業のように感じられるのです。

私はこの物語を映画的なフィクションとしての濃密な空間の中で描きたいと考えました。湿度を持った極めてアジア的な色彩感覚と時間の流れ、日本文化の根幹でもある簡略化された表現、それらがこの映画を独特のものにしていると確信しています。そしてそれは私自身が日本人であるということの証明でもあるのかもしれません。