STORY
周囲に馴染めず、転校を繰り返す杏菜が、新たな寄宿学校で出会ったのは、美しく完璧な少女・莉花。
しかし、莉花は突然、屋上から飛び降りて命を絶ってしまう。
残されたのは一冊の≪日記≫。
ページをめくるたび、莉花の苦悩や怒り、痛み——
そして、言葉にできなかった“ある秘密”が浮かび上がる。
その秘密に触れた杏菜と少女たちの心は揺さぶられ、初めて“自分”と向き合い始める。
やがて日記から青白く揺れる“鬼火”のような魂が現れ、杏菜の心に静かに入り込む。
その魂に導かれ、杏菜は予想もつかない行動へと踏み出す——。
観る者は知らず知らずのうちに、その奇妙で美しい世界へと引き込まれていく。












COMMENT
果実の中で種子が抱いているのは世界への希望か恐れか? 何にでも染まる筈の白が一点の汚れも拒む時、称賛は非難に変わる。
少女は誠実と残酷の二律背反に折り合いをつけない。
だから彼女達の命は花となり揺れる。
――嶽本野ばら
(「下妻物語」作家)ピーター・ウィアー監督の『ピクニック at ハンギング・ロック』を彷彿とさせる、素晴らしい作品。
デビュー作とは思えないほどの演出で、監督は生死の境界を越えた友情の物語を繊細かつ感動的に描き出している。
今年観たデビュー作の中で最も興味深い作品の一つ。
――José Luis Rebordinos
(サン・セバスティアン国際映画祭ディレクター)視覚で語り、余白で魅せる、新たな才能。
――Le Polyester
暗闇を抱きつつも、光を放つ作品。
――Caimán Ediciones
友情や孤独の意味を、若さという繊細な時期の中で問いかける。
観る者の心に静かに響く、感情の旅へと誘う作品。
――Softonic.com