
完璧な少女は、なぜ屋上から飛び降りたのか――?
『ヴァージン・スーサイズ』で描かれなかった、
“死の向こう側”へ――
かつてないガーリーな“ファントム・ファンタジー”誕生。
周囲に馴染めず転校を繰り返してきた杏菜は、全寮制女子校で出会った、美しく完璧なルームメイト・莉花の突然の死をきっかけに、残された≪日記≫と、莉花の“魂”に静かに侵食され、心を揺るがせていく。やがて莉花の幼なじみ・栞も巻き込みながら、『ヴァージン・スーサイズ』(99)では描かれなかった、 “死の向こう側”へとそっと踏み込んでいき、それぞれの“わたし”が、静かに揺らぎはじめる――。耽美かつ繊細な少女たちの物語。
若き才能×新世代キャストの鮮烈な感性が交錯!
監督は、『21世紀の女の子』(19)の一篇「reborn」で注目を集め、中編「レイのために」(19)や短編「木が呼んでいる」(20)など数々の映画賞で受賞した経歴をもつ坂本悠花里。そして、オーディションで抜擢された主人公の美絽、池端杏慈、蒼戸虹子ら、モデル・CM・ドラマとジャンルを越えて活躍する若き才能たちが、一堂に集結した。
COMMENT
監督:坂本悠花里
昨年の今頃、キャストとワークショップやダンスの練習をしていました。撮影はあっという間でしたが、日々新しい発見と確かな充実感がありました。『白の花実』を作りながら、私は私自身を持て余していた時期があったと思い出していました。作り終えた今、自分というものはずっと持て余したままで良いものなのかもしれないと思い始めています。この映画とともに歩いてくれたキャスト・スタッフに、心から感謝を伝えたいです。そして、これから観ていただけることを心待ちにしています。
杏菜役/美絽
杏菜を通して、表向きの自分と本当の自分との間にあるギャップに改めて気付かされました。揺れ動く少女たちの葛藤や苦悩には、きっと誰しも共感できる部分があるのではないでしょうか。壮大な自然や美しい歴史的建造物も、物語と共に楽しんでいただけたら嬉しいです。
栞役/池端杏慈
穂乃川栞という役に出会えたこと、心から感謝しています。オーディションで決まったときは本当に嬉しかったです!親友の死に喪失感を抱く栞の感情を、自分なりに丁寧に噛み砕いて向き合うことができました。生と死に目を向ける彼女たちの繊細な姿が丁寧に描かれている作品です。劇中の衣装がすてきなのでそこにも注目してほしいです。たくさんの人にこの作品が届きますように。
莉花役/蒼戸虹子
「白の花実」は私にとって初めての映画です。わからないことだらけの中で、莉花と同じように揺れたり、悩んだりしながら、坂本監督とたくさん話をして、莉花と自分を少しずつ重ねていきました。ダンスレッスン、ワークショップ、そして撮影を通して、美絽さん、池端さん、スタッフキャストの皆さんと過ごした時間は、今でも私の中で特別な記憶として残っています。作品の中から、揺れ動く、様々な感情をたくさん感じていただけたら嬉しいです。