リンダリンダリンダ
STORY
【1】
とある地方都市にある芝崎高校。
全体的に取り柄のないこの高校の唯一の目玉は、学生数の多さにあぐらをかいたような派手な文化祭・ひいらぎ祭だ。
◆文化祭前日
*恵、響子、望の3人は途方に暮れていた。高校生活最後の文化祭に向けて、オリジナル曲を作って練習を重ねてきたのに、ライブまであと3日という時になってギターの萠が指を骨折、ブチ切れたボーカルの凛子まで抜けてバンドが空中分解してしまったのだ。部室で一本のテープを再生すると、聴き覚えのある曲が流れて来た。♪ドブネズミみたいに
美しくなりたい――
「!!!」次の瞬間、3人は「リンダリンダ〜」と飛び跳ねていた。*「これなら私もギター弾ける!」などと、デカイことを言っている本来はキーボードの恵。その場の勢いでそばを通りかかった韓国からの留学生・ソンに声をかけたところ、なにを思ったかソンはボーカルを引き受けてしまう。
◆文化祭1日目
*色とりどりの垂れ幕や出店が並び、賑わう校内。ドラムの響子のクラスのクレープ屋も繁盛している。隣に立つ一也にドキドキしながら店番をこなしていた響子だったが、練習時間に遅刻し、部室が使えなくなる。4人は恵の元カレ・トモキが手配してくれたスタジオへ向かった。恵とトモキのやりとりをニヤニヤと覗くソン。どうやらソンは他人の色恋沙汰が好きらしい。*夜。誰もいない学校に忍び込んで練習するが、大きな音を出せないのでほとんど意味がない。空は徐々に明るくなってきた。