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INTRODUCTION

ゲームデザイナーの青年が生み出したマンティコア [ 怪物 ]
人間の心の闇のタブーに踏み込んだ、衝撃のアンチモラル・ロマンス

空想のモンスターを生み出すゲームデザイナーのフリアン。
同僚の誕生日パーティーで美術史を学ぶディアナに出会う。
内気で繊細な性格のフリアンだが、次第に聡明でどこかミステリアスなディアナに魅かれていく。
しかし、フリアンは隣人の少年を火事から救った出来事をきっかけに原因不明のパニック発作に悩んでいた。
やがて彼が抱えるある秘密が、思いもよらぬマンティコア [怪物] を作り出してしまう…。

フリアンが自分自身のなかに見たマンティコア [怪物]とは何なのか。
どこか不穏で想像力をかきたてる“見せない演出”は、まるで観客の無意識の底に潜む [欲望] を覗くかのような仕掛けとなる。
もしそれが倫理的に許されない [欲望]ならば――その感情を抱くことは罪なのだろうか?
ともすれば目を背けたくなるタブーなテーマを炙り出し、物語はやがて誰も想像し得ない衝撃の境地にたどり着く――。

スペインの鬼才で超日本オタク!
カルロス・ベルムト監督(『マジカル・ガール』)最新作

監督は劇場デビュー作『マジカル・ガール』(14) が サン・セバスチャン国際映画祭グランプリ& 監督賞を
ダブル受賞する快挙を成し遂げ、巨匠ペドロ・アルモドバルに「この映画を猛烈に愛する」と言わしめた
スペインの鬼才カルロス・べルムト。独創的なストーリーと先読みできない巧みな構成に批評家や映画ファンも唸り、
日本でもカルト的な人気を博した。本作でも唯一無二の映画センスでオリジナル脚本をてがけ、
人間の闇の欲望を見つめる。また、「日本文化は僕の血肉」と語り日本の漫画、アニメ、映画をこよなく愛する
ベルムト監督。『マジカル・ガール』は架空の日本アニメ「魔法少女ユキコ」に憧れる白血病の少女をめぐる物語だが、
本作の主人公フリアンも日本オタクのキャラクターとして描かれており、日本テイストは健在 !

「マンティコア」とは
西ヨーロッパの中世美術にも広く普及した、エジプトのスフィンクスに似たペ ルシアの神話上の生き物。人間のような頭、ライオンまたは虎のような胴、ヤマアラシの羽に似た有毒な棘の尾もしくはサソリの尾を持つ怪物で 、人喰い(マンイーター)と伝えられる。

STORY

空想のモンスターを生み出すゲームデザイナーのフリアン。VR 空間で獣のデザインを立体的に形作っていく。
ある日、自宅で作業をしていると助けを求める子どもの声が。アパートの向かいの部屋から炎があがっている。玄関
のドアが開かずパニックになっているクリスチャン。フリアンは必死にドアを蹴破り救い出す。

夜中、息が苦しくなり目を覚ますフリアン。病院にたどり着くと気を失ってしまう。しかし、心電図も検査の数値も正常だ。強いストレスや恐怖に対する脳の自己防衛によるパニック発作だと診断される。

フリアンは同僚サンドラの誕生日パーティーで美術史を学ぶディアナに出会う。聡明でどこかミステリアスなディアナ。彼女の父は2年前に脳卒中を患い、いまはふたり暮らしで、ほぼひとりで介護をしているという。映画やゲーム、アートについて語りあい、次第に惹かれ合っていくふたり。

しかし、フリアンはある秘密を抱えていた。それは火事から子どもを救ったあの日から、まるで肺に吸い込んでしまった煙のように彼の中で静かに渦巻いている“ある感情”。やがてそれが思いもよらぬマンティコア [怪物] を作り出してしまう…。

STAFF

監督・脚本:カルロス・ベルムト

1980年 3 月 6 日生まれ。マドリードの第 10 美術学校でイラストレーションを学び、エル・ムンド紙でイラストレーターの第一歩を踏み出す。2006年、初の単独著作「El Banyàn rojo」を出版。同書はバルセロナ国際コミック・コンベンションで 4 部門にノミネートされる。続いて短編集「Psicosoda」、「Plutón BRB Nero」を出版し、「la venganza de Maripili」はアレックス・デ・ラ・イグレシアが制作した同名のテレビシリーズの原作となる。

2008年、TVE で放送されたテレビシリーズ「Felly Famm」を製作。翌年、初の短編映画「Maquetas」が第 7 回ノトド映画祭でグランプリを受賞。2011年、初の長編映画「Diamond Flash」を自身の会社サイコソーダ・フィルムで製作。映画視聴サイトでリリースされるや話題を呼び、映画雑誌「Caiman」が選ぶ 2012年のスペイン映画第 1 位に選ばれる。

2012年、コメディアン・グループ、ヴェンガ・モンハス出演のブラックユーモアあふれる短編映画「Don Pepe Popi」の監督・脚本を務める。また、大ファンだと公言している漫画「ドラゴンボール」にオマージュを捧げ、再解釈したコミック「Cosmic Dragon」を出版。

2014年、劇場デビュー作『マジカル・ガール』(日本公開は2016年)が第62回サン・セバスチャン国際映画祭グランプリ& 監督賞をダブル受賞。第29回ゴヤ賞(スペイン・アカデミー賞)やスペイン批評家協会賞など国内主要映画賞の主演女優賞を総なめにする。

2018年、『シークレット・ヴォイス』が第43回トロント国際映画祭、第66回サン・セバスチャン国際映画祭などで上映され、第32 回ゴヤ賞では7部門にノミネートされる。

また、第28回ジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭で監督賞を受賞した「The Grandmother」(パコ・プラザ監督 /21)では脚本を手掛け、第68回バリャドリッド国際映画祭で作品賞を受賞した「The Permanent Picture」(ラウラ・フェレス監督/23)では共同脚本を担当している。

CAST

  • ナチョ・サンチェス (フリアン)

    1992年、スペイン・アビラ生まれ。舞台を中心に活動を始め、長編映画デビューの『SEVENTEEN/セブンティーン』(ダニエル・サンチェス・アレバロ監督/19)で、ゴヤ賞(スペイン・アカデミー賞)最優秀新人男優賞にノミネート。「The Art of Return」(ペドロ・コリャンテス監督/20)に出演したのち、『マンティコア 怪物』で第 37回ゴヤ賞主演男優賞、第 28 回ホセ・マリア・フォルケ賞最優秀男優賞にノミネートされたほか、第10回フェロス賞主演男優賞を受賞した。

  • ゾーイ・ステイン (ディアナ)

    2000 年、スペイン・バルセロナ生まれ。ロンドンを拠点とするシティ・アカデミーで演劇を学び、ベルリンに渡る。カンヌ国際映画祭監督週間に出品された短編「Foreigner」(ルシア・アレニャル監督 /20)に出演したのち、ドラマシリーズへの出演が続き、Disney+「The Invisible Girl」(23)では主演を務めた。『マンティコア 怪物』で第 37 回ゴヤ賞最優秀新人女優賞 、スペインの映画作家サークルによる第78回CEC賞 最優秀新人女優賞、第 15 回ガウディ賞最優秀新人賞にノミネートされた。

  • アルバロ・サンス・ロドリゲス (クリスチャン)

    2012年生まれ。幼少期よりモデル、子役として活動。ドラマシリーズ「A Different View」(18)、「I Don’t Like Driving」 (22)、第 35 回ゴヤ賞最優秀短編映画部門にノミネートされた「The Ephemeral」(ジョルジ・ムリエル監督/20)、長編映画「Torcidos(原題)」(J.J.マルコス監督/21)に出演。

  • アイツィべル・ガルメンディア (サンドラ)

    1982 年、スペイン・サルディビア生まれ。スペイン国内のドラマシリーズ「Martin」(03-09)にて知られるようになり、ドラマや映画、演劇のほか、テレビの司会者としても活躍する。スペイン国内で大ヒットを記録した映画「Spanish Affair」(エミリオ・マルティネス・ラザロ監督/14)などに出演。

REVIEW

★★★★★傑作―EL MUNDO ★★★★★残酷―TVE
★★★★★人間の心の闇を抉り出す―CINEMANIÁ
★★★★★巨匠ルイス・ブニュエルの倒錯的な欲望の研究からドストエフスキーの文学における人間の苦悩の観察に至るまで、これまでに人間の「良心」と「罪」についての題材はいくつもの芸術的創造のピークを迎えてきた。これらの道徳と社会への鋭い切り込みにインスピレーションを得たベルムト監督は、早熟した才能で本作を手がけた。―Fotogramas
残酷で冷酷、そして正確で繊細な映画。ベルムトはスペインで最も独創的な監督の一人であり、人間の最も暗い部分のタブーを恐れず描く。―ScreenAnarchy
ラブロマンスかと思いきや後半は心理スリラー。観客をトラウマにひきずりこむ。最も忌まわしい「怪物」の、誰もが持つ愛情への欲求を描いている。巧妙に仕組まれた、恐るべきラブストーリー。―Cineuropa
私たちの中にいるかもしれない「怪物」についてのドラマ。―EscribiendoCine
30秒予告
90秒予告