PEOPLE PROFILE
FILMOGRAPHY
リュック&ジャン=ピエール・ダルデンヌ
(Luc et Jean-Pierre Dardenne)
監督近影 ベルギー生まれの兄弟。兄のジャン=ピエールは1951年、弟のリュックは1954年生まれ。ジャン=ピエールは演出家になることを目指して、ブリュッセルへ移り、そこで演劇界、映画界で活躍していたアルマン・ガッティと出会う。ジャン=ピエールは弟のリュックと共に、ガッティの下で暮らすようになり、芸術や政治の面で多大な影響を彼から受けた。ガッティの映画製作を手伝った後、兄弟は74年からビデオ制作を始める。原子力発電所で働く事で得た資金で機材を買い、労働者階級の団地に住み込み、土地整備や都市計画の問題を描くドキュメンタリー作品を制作する。同時に75年にはドキュメンタリー制作会社「Derives」を設立する。
 86年に初の劇映画『Falsch』を監督する。この作品はベルリン、カンヌといった映画祭には出品されたものの、世界的な成功を納めるまでには至らなかった。つづく、2本目ではスタッフ、キャストに豪華な顔ぶれを揃えることが出来たものの会社側の圧力による妥協の連続で、自らが全く満足できない作品となってしまう。
 前作での失敗に懲りた彼らは、3作目『イゴールの約束』を撮るにあたって、自分達で資金を集め、自ら1年間かけてシナリオを書き、決して妥協する事のない環境を作り上げた。そしてその成果を作品に見事に結実させた。