そこには全く身に覚えのない“続柄:妻”の文字が―!
どうやら、1年も前に<繁子>という名の女性が
自分と勝手に籍を入れていたらしい。
でも、一体なぜ?何のために―?
正体不明の妻を探して街中を探し回る幹夫。
諦めかけていたその時、
偶然前を通りかかった花屋から
「夏野さーん」と呼ぶ声が…!
繁子との緊張の初対面…かと思いきや
繁子は幹夫を見るなり猛ダッシュで逃走!
「話をさせてください!」という幹夫の声も届かず、
街中を走り回り追いかけっこする二人だったが、
幹夫はタイミング悪くトラックと衝突してしまう…。
二人の関係の行方は――!?
幹夫という人間を通して、初夏の横浜を過ごしました。
人と深く関わっていくことは、時に誰かや世界を変えてしまうことにもなり得る。
幹夫は、それを極端に嫌がりながら生きている人物です。
演じているうちに、登場人物たちと同じように、
撮影期間中、ふと我に返ると、幹夫を守りたいと思っている自分がいることに気づきました。
ただ、「こうしてあげたい」「こうしたら良いのに」という気持ちは、
いつの間にか相手の上に立ってしまう危うさも含んでいて
良かれと思うことが、かえって色々なことを固定して、
誰かを弱い存在として扱ってしまうこともあるのだと、
幹夫を通して考えさせられた気がしています。
そんな気持ちの時は、大抵その対象より自分の方が劣っているものですが笑
とはいえ、不器用でも、滑稽でも、人は自分が見ている世界から、
別の人間の世界に交わっていかなければならない。
当たり前のことではありますが、
その当たり前が、いつの間にか端折られてしまいがちな世の中で、
幹夫の人生を一夏生きる間に、
もう一度その感覚を丁寧に見つめる時間を過ごせた気がしています。
誰にでもあったような感覚を、純粋に持ち続けてしまった
不器用な人間同士が、表現の仕方は違いながらも、
やさしい世界で出会っていく物語です。
全編横浜ロケでの撮影は、街の方々にもとても温かく受け入れていただきました。
その空気も含めて、ぜひ劇場で、
この時間を過ごしていただけたら嬉しいです。