ウォン・カーウァイ、フルーツ・チャンに続き、香港インディーズから登場した新鋭、 余力為(ユー・リクウァイ)が誕生させた、全く新しい香港映画。

 何かを求めてやって来た香港ですれ違う男女4人、したたかなまでのたくましさを持った彼らの日常と不器用な愛を丁寧に切り取った、余力為監督『天上の恋歌』は、長編デビュー作にしてカンヌ国際映画祭コンペティション部門に大抜擢された話題作。
 余力爲の、状況や心情を説明するような台詞を極力省き感情移入させることを拒みつつも、心に秘めた想いまでも鮮やかに描き出す確かな演出力。そして、ウォン・カーウァイ監督『花様年華』、ジャ・ジャンクー監督『プラットホーム』ほかにカメラマンとして参加するなど、ベルギー留学で身につけた映像感覚は世界から注目を集めている。
 経済不況からハリウッドへの人材流出が著しい香港映画界を横目に、ヌーヴェルバーグはじめヨーロッパ世界からの影響を受けた作風を活かし、変わり行く故郷、香港への愛憎を繊細に描き出す。

『天上の恋歌』イメージ

『天上の恋歌』
Love will tear us apart

解説1 ・ 解説2解説3
解説4スタッフ・キャスト