背景

中国 現代略年表 ※★が劇中描かれる時代

1994年
世界最大の水力発電所・三峡ダム本着工
(ダム建設により、のべ130万人が移住を余儀なくされる)
2000年
国家プロジェクト・西部大開発計画開始
(内陸西部地区[新疆ウイグル自治区を含む10省区市 ※その後12省区市に拡大]を経済成長軌道に乗せるため、全国人民代表大会で決定した政策。「西電東送」「南水北調」「西気東輸[“気”は天然ガスのこと]」「青蔵鉄道」の4つが目玉プロジェクト)
2001年
★7月 北京オリンピック開催都市に決定

12月 世界貿易機関(WTO)に加盟
2006年
★1月 再生可能エネルギー法施行
(エネルギー源を豊富な石炭に依存してきたことにより悪化した環境汚染を緩和させるため、水力、風力、太陽、光などの再生可能エネルギーの開発・普及を目的に制定された)

5月 三峡ダム本体完成
7月 青蔵鉄道開通(青海省ーチベット自治区の約2,000kmを結ぶ/西部大開発の代表的プロジェクト)
2008年
5月 四川大地震発生
8月 北京オリンピック開催
2009年
三峡ダム完成(発電所など含む)
2010年
上海万博開催
2015年
2022年北京冬季オリンピック開催都市に決定

大 同/山西省

山西省の北部に位置する地方都市。河北省や内蒙古自治区と接し、世界遺産「雲岡石窟」や中国三大九龍壁のひとつを有する観光都市でもある。北京からバスで約4時間半。日本から直行便乗り入れはない。砂漠性の気候で乾燥しており、1月の平均気温はマイナス11.3℃と冬は非常に寒い。ジャ・ジャンクー監督の故郷・汾陽は山西省の中部にある。山西省は中国最大の石炭の産地。この街を劇映画にするのは『青の稲妻』に続いて2作目。

奉 節/三峡ダム

重慶市奉節は三峡にある古都で、三国志の劉備が呉に敗れ、生涯を終えた地。三峡とは、長江の中流、四川省から湖北省の約200kmにおよぶ3つの峡谷。古来より山水画の題材に好んで描かれ、今もその景色をとどめている。その三峡の下流を堰き止めて作ったのが世界最大の三峡ダムで総貯水量393億m³、ダム湖の総面積1084km²(東京都の約半分)。洪水をコントロールするとともに、貯水量も世界一、水力発電による年平均発電量は毎時846.8億kwで世界最大の発電所。奉節に限らず、三峡周辺の約130万人の住民が移住を強いられた。重慶から奉節まで川を下ると約5時間。宜昌から奉節へは観光船で立ち寄り観光など含め、2泊3日ほど。三峡ダムを通るためには5時間ほど停泊する。

ウルムチ/新 疆ウイグル自治区

世界で最も内陸にある大都市ウルムチ。中国最大の面積を持つ、新疆ウイグル自治区の中心地。ウイグル族、漢族のほか多くの民族が自治区内で暮らしている。乾燥しており、季節による温度差が大きい。新疆の約1/4が砂漠でタクラマカン砂漠を有する。石油と天然ガスの埋蔵量が豊富で、油田開発が新疆の経済発展を支えた。西部大開発計画の一環として、石油、電気、ガス、人を運ぶインフラが急速に整えられた。武漢からウルムチまで列車で約38時間、北京から30~40時間ほど。ウルムチからカラマイまで約4時間。