Bitters End
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『帰郷』
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映画に寄せて――――西島秀俊

『帰郷』の撮影現場は、役者たち全員がものすごくノッていました。 これはひとえに萩生田監督の演出力と人柄によるものでしょう。
現場の空気によって役者たちはより活き活きと演じ、 その姿を見て監督はさらに楽しそうに演出し、 その演出に僕らはもっと引っ張られてゆく……といった具合でした。 役者が、“役割”ではなく、その“人”として存在していました。
たとえば、吉行和子さんが「そんなもんなのよ」というセリフを 一言発しただけで、そのセリフは、僕がシナリオを目にした時とまったく違う、 生きた言葉となって心に響いてくる――そんな驚きが何度もあったことを覚えています。
この映画は「主人公が2泊3日で故郷に帰る」という シンプルなストーリーですが、何度も何度も繰り返し見たくなる愛すべき作品です。
僕も晴男のように、愛する人や家族、仕事などいろんなものを これからもっともっと大切にしていきたい、そう思いました。


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映画に寄せて――片岡礼子

『ハッシュ!』以来の復帰作となった、この現場。
仕事ということに限って言えば、もぐっていた海から久しぶりの水面に出たようなそんな息を吹き返した感あり……。
2年間。何度も現場に立とうと努力したけれども身も心も動かない。そんな危機をやさしく救ってくれたのは他でもない家族と仲間、そして映画ファン(の存在)でした。
劇中の晴男が、仕事でほとんどを占めている日常からほんのすこし帆の向きを変えるきっかけとなる、深雪とチハル……誰もがそういう存在を探している気がする。
深雪はどんな境遇であっても人のせいにはしない、自立した心の持ち主。しかしそれは、一瞬でも自分を無くすと、突拍子のない行動に出てしまう強さにもつながっている。そんなつもりはなくとも、周りを巻き込んでしまう結果になるのが、きっと本人も悩めるところだろう。だから人は支えあうのかな……。そんなことを感じながら演じてました。
海辺を歩く晴男とチハルの笑顔を見て、私の大切な娘にこんな風に接してくれる人がいたのかと、初めて見るシーンにほろりときました(深雪のつもりで)。これは監督のまなざし、西島さんとレイアちゃんの存在感、そしてこの組全体の温かみのなせるわざでしょうか。
この現場で復帰できたことに感謝しています。
久しぶりに不器用な自分すら愛したくなる作品に出会いました。