PEOPLE PROFILE
FILMOGRAPHY
ジョン・カサヴェテス (John Cassavetes)
結婚三部作
『フェイシズ』『ハズバンズ』『ミニー&モスコウィッツ』は、彼が一貫して描き続けた愛について、とりわけ結婚をテーマとし、カサヴェテスの結婚三部作と言われている。アメリカン・ニュー・シネマと呼ばれる流れが生まれる中、同時期に創られながらも、その範疇には収まりきらない『ハズバンズ』は、同年代の既婚の男たちを嬉々として映し出した、彼にとっては唯一のバディ・ムーヴィーでもある。長年の結婚生活には、家庭から離れた息抜きの時間も必要だと言っているようにも感じられる。『ミニー&モスコウィッツ』は、彼の作品中、最もハッピーな作風だと言えるだろう。女性が白馬の王子を待ち続けるのは、子供を産むのと同じくらい先天的なことだと言うカサヴェテスが、その女性的本能に男性がいかに立ち向かうかというひとつのアイデアを示している。いずれにしても、結婚は彼にとっては永遠に理解し難い制度だったらしいことが、この連作活動からもうかがえる。
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