Bitters End
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『プラットホーム』
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21世紀の映画界を担う才能・賈樟柯

●2000年のベネチア国際映画祭。本作『プラットホーム』が上映され、そのあまりの完成度の高さに批評家やマスコミは大絶賛した。惜しくもグランプリは逃したものの最優秀アジア映画賞を受賞し、続くナント三大陸映画祭では、見事グランプリと監督賞を受賞したのである。 監督は、中国新世代の最若手、賈樟柯。デビュー作『一瞬の夢』で、スリで生きる青年の日常をとおして、本作『プラットホーム』では、地方を旅する劇団員たちの10年間の姿を通して、中国の"現在"と、そこに息づく若者たちの感情の機微を鮮烈に描いてゆく。 撮影は『一瞬の夢』に続き、余力為(ユー・リクウァイ)が担当。屋外シーンでの力強い長回しのカメラワークや、逆光を取り入れた室内での美しいシーンは、息を呑むばかりである。キャストは、明亮 (ミンリャン)役の王宏偉(ワン・ホンウェイ)以外は、初めて映画に出演する者たちばかりだが、彼らは、素人同然にも関わらず、登場人物たちの10年間を見事に演じきっている。

●90年代に入り、中国では市場経済への移行で国営の映画製作所にも独立採算制度が導入され、以前のように、国家予算で映画を作ってはいられなくなった。新世代の監督たちは、製作所を飛び出し、自力で資金調達をしローバジェットの映画製作に取り組み始める。これが、いわゆる中国インディーズ動きの始まりであった。『ただいま』のチャン・ユアンや『ふたりの人魚』のロウ・イエらは、独立プロダクションを設立したり、海外からの出資を獲得することで、映画製作を行っていった。 賈樟柯の場合は、北京電影学院の卒業後に作ったビデオ作品「小山回家」が、香港インディペンデント映画賞の金賞を受賞したことから、香港の製作会社・胡同制作からの出資を獲得し、デビュー作『一瞬の夢』を製作する。この作品は、ベルリン国際映画祭での新人監督賞を始め、各国の映画祭で数々の賞を受賞し、各国に上映権が売れ製作費の回収も果たした。このことは、映画祭での受賞が投資に繋がることを証明し、インディーズでの映画製作においてひとつの可能性を示したという意味で、画期的なできごとであった。賈樟柯は、さらにグローバルに展開し、香港、フランス、日本からの出資を獲得し、本作『プラットホーム』を完成させた。

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