ペーター・ジモニシェック ヴィンフリート/トニ・エルドマン

ペーター・ジモニシェック ヴィンフリート/トニ・エルドマン

1946年8月6日オーストリアのシュタイアーマルク生まれ。もともと家業の歯科技師になるために教育を受けていたが、グラーツ工科大学で建築を学び、その後演劇への情熱が高じ、グラーツ音楽演劇芸術大学に学んだ。学業を終えると、ザンクト・ガレン、ベルン、デュッセルドルフなどの劇場でキャリアを開始、ミヒャエル・ハネケらの演出家と仕事をする。79年、ベルリンのシャウビューネ演劇カンパニーに加わり、そこでペーター・シュタイン、クラウス・ミヒャエル・グルーバー、リュック・ボンディ、ボブ・ウィルソン、アンドレア・ブレスらの演出の下で演じた。
その一方80年代、アレックス・コルティの“Das EineGluck und Das Andere、Herrenjahre”など多くTVドラマにも出演。マルガレーテ・フォン・トロッタ監督の『三人姉妹』(89)でスクリーンデビュー。
98年から01年まで放送されていた戦闘ヘリコプターが活躍するバトル・スカイ・アクション「ヘリコップ」シリーズでは、特別警察隊をまとめる司令官役をシリーズ全話を通し演じている他、“Geburtig”(02)、“Jedermann”(04)、“Daniel Kafer - Die Villen der Frau Hursch”(05)など数々の作品で主演を務めている。
03年に製作された「ヒランクル」(監督:ハンス・シュタインビッヒラー)では、主人公の女性やその家族との過去の出来事に思いを巡らす洗練された紳士役を演じている。また“Mozart in China”(08)では、実の息子キャスパー・ジモニシェックと親子共演も果たしている。
『ありがとう、トニ・エルドマン』では、ヨーロッパ映画賞、オーストリア映画賞、国際シネフィル協会賞で主演男優賞を受賞。

ザンドラ・ヒュラー イネス

ザンドラ・ヒュラー イネス

1978年4月30日ドイツのテューリンゲン生まれ。エルスンスト・ブッシュ演劇芸術アカデミーで演劇を専攻し、99年に“Midsommar Stories”内の短編のひとつ“Sabotage”に出演して以来、06年までは舞台女優としてイエナ、ライプツィヒ、バーゼル、ベルリン、ハノーヴァー、ミュンヘンなど数々の舞台で活躍。その卓越した演技により03年、演劇雑誌「ホイテ」の栄えある最優秀若手女優賞を受賞。同誌は10年、13年にも彼女に最優秀女優賞を与えている。また、ドイツ最古の、そして最も重要な美術院であるミュンヘン美術院に15年に入会を許されている。
本格的な映画デビューは06年に発表された「レクイエム~ミカエラの肖像」(監督:ハンス=クリスティアン・シュミット)。主役の精神と意識の不安定な女性ミカエラを演じ、第56回ベルリン国際映画祭において銀熊賞(女優賞)、ドイツ映画賞最優秀主演女優賞他多数の女優賞を受賞。
11年の“Uber uns das All”(監督:ヤン・ションベルク)でも主役を務め、翌年のドイツ映画賞、ドイツ映画批評家協会賞にて主演女優賞を獲得。“Finsterworld”(13/フラウケ・フィンスターヴァルダー)では、ドイツ映画賞助演女優賞を受賞。その他の作品に“Madonnen”(07)、「裸の診察室」(10)、「ピノキオ」(13)など多くの作品に出演するドイツを代表する数少ない女優のひとり。
『ありがとう、トニ・エルドマン』では、ヨーロッパ映画賞、トロント映画批評家協会賞、バイエルン映画賞で主演女優賞を受賞。

トニ・エルドマン

<職業>
ドイツ大使、コンサルティングと人生のコーチング
<容姿>
ダサいスーツ、変なカツラ、もっと変な入れ歯
<行動>
神出鬼没
<所持品>
ブーブークッション、手錠、チーズ・グレイター

幸せを呼ぶ毛むくじゃらの精霊<クケリ>

ブルガリアで毎年1月から3月の間に行われる伝統的な祭りの際に着用される被り物。イネスの誕生日パーティーに登場する。
その昔、新春になるとブルガリアの様々な地域で、クケリに身を包んだ人々が、腰に付けたベルを鳴らしながら家々を訪れ、悪霊退治や家族の健康を祈っていた。現在もこの文化を継承している地域がある。日本の「ナマハゲ」に近い存在である。クケリは、五穀豊穣、子孫繁栄など幸せを運ぶものの象徴として今なお親しまれている。