Bitters End
配給作品
『シリアの花嫁』
公式サイト
TOP
NEWS
イントロダクション
ストーリー
監督の言葉
監督来日レポート
キャスト
スタッフ
コメント
海外評
予告篇
上映スケジュール
BBS
監督来日レポート < シリアの花嫁
BITTERS END

エラン・リクリス監督
来日レポート!!

来年2/21(土)の公開を前に、12月初旬、エラン・リクリス監督が来日しました。
記者会見の様子など、来日レポートをお届けします!是非読んでみて下さいね。

エラン・リクリス監督
(C)Ryo Ogawa

Q.そもそもゴラン高原という場所、そしてドゥルーズ派というイスラム少数派の人々に、興味を持たれたきっかけは何だったのでしょうか?
ずっと以前からこの場所を舞台に撮影したかったのでしょうか?

リクリス監督.  イスラエルと周辺諸国の国境(境界線)にまつわるドキュメンタリー「BORDERS(ボーダーズ)」を作り、その中で、ドゥルーズ派のこのような花嫁が、境界線を越える結婚式を撮りました。
花嫁はシリア側へ渡ると、二度とイスラエル側に入ることはできません。とても悲しい結婚式です。 このような結婚式は年に3〜4回行われます。
私がゴラン高原に行ったちょうどその日に、いつもと違う出来事が起こりました。
イスラエル側の通行手続きの変更により、結婚式がその場でキャンセルになったのです。
中東で起きている様々な出来事を包括するような出来事であると感じました。
その後2年間、この出来事を追いかけることとなりました。
シリア、ドゥルーズ、イスラエルという3つの社会を巡って展開するお話に興味を持ちましたし、「花嫁」という舞台装置は私にとってとても魅力的でした。
イスラエルという国は特にそうですが、私は世界中どこの国においても、政治的なものや、住む状況に大きく影響を受ける、ということを常に意識して、映画を作っています。
この映画では、たった1日のうちに起きるドゥルーズ派の婚礼のことを描いていますが、結婚という世界中の人々にとって普遍的なことを通して、シリアやドゥルーズ派などについての知識がなくても共感が得られるような物語になっています。


Q.この映画は、深刻さを扱いながらも、人間は和解する力を持っている、と伝えてくれています。
あなたは厳しい現実の中で生きていると思いますが、和解できる、ということについてどう思いますか?
また、イスラエル、パレスチナの若者が、一緒になって音楽や映画を作るということが、最近時折話題になっています。そのような活動についてどう思いますか?

リクリス監督.  私はよくパレスチナ人と一緒に仕事をしています。人種や国は関係なく、ひとりひとりの人間と一緒に仕事をします。真面目なテーマを扱う時も、ユーモアが重要だと思っています。
そして人々の思考に働きかけて、ニュースのヘッドラインから読み取れる以上の情報を伝えたいと思っています。メディアでは限られた情報しか伝えられませんので。
映画は、特に21世紀の現代では、真実を描くことのできる非常に強い武器だと思います。
つまり、正直に、現実で起きていることを、多角性を持っていろんな色を加えつつ、伝えるということです。私自身は、人間的な立場から、人間的な目線で語ることを心がけています。
この世界が暴力や誤解に満ちているということはわかっていますが、人間の理解に働きかけて作品を作ることを心がけています。
私は政治家ではありませんが、なぜか今の状況に対して楽天的な感情を持っています。もしかするとアメリカのオバマ大統領のせいかもしれませんが。今、全ての人が、変化を求めていることは明らかです。長い膠着状態の後、アメリカでも変化が求められ、こういうことが起こったわけです。
イスラエルでも、間もなく選挙が行われます。もちろん、イスラエルにオバマがいるわけではありませんが。
イスラエルのみならず、他の中東諸国もこの複雑な状況に疲れきっています。
このような状況の中で、人々が無関心になることが一番危険だと思います。
常に自分の頭で考えて、ポジティヴなエネルギーを保つことが大切です。
若い世代が新しい変化をもたらすことができるのではないか、と希望を抱いています。



*        *        *        *        *


重信メイさんによる
インタビューが実現!

ジャーナリストの重信メイさんが、この映画にご興味をお持ち下さり、テレビ番組にて、監督にインタビューをして下さいました。
レバノンで生まれ育ち、パレスチナ問題など中東問題に深く取り組まれている重信さんならではのお話に、リクリス監督も感慨深げな様子で、非情に意義深い時間となりました。


ニュースの深層

「朝日ニュースター<ニュースの深層>」にて、公開に合せてOA予定です。
是非、ご覧になって下さい。