Bitters End
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『シリアの花嫁』
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BITTERS END

ストーリー

イスラエル占領下のゴラン高原、マジュダルシャムス村。今日は村の娘モナが、親戚にあたるシリアの人気俳優タレルに嫁いでゆく日。
モナは純白のドレスを手に、結婚式の準備のため、姉のアマルとともに村の美容院へと向かう。


キルヤト・シュモナ(イスラエル北部の都市)のホテルでは、一家の長男ハテムが妻と幼い息子と朝を迎えていた。彼はロシア人女性と結婚してロシアへ渡ったが、妹モナの結婚を祝うために、8年ぶりに故郷へ戻ろうとしている。父や長老たちに逆らってロシア人と結婚したため、勘当された身だ。
次男のマルワンも、商売をしているイタリアから妹モナの結婚を祝いに戻って来た。


イスラエルの警察署。シリアの新大統領を支持するデモが行われるので、注意するように命令が下される。また、シリア側に嫁いでゆく花嫁がいるが、花嫁の父親のハメッドは軍事境界線へ行かせるな、との命令も。ハメッドは親シリア派で、政治運動をしてきたため、投獄された経験もあり、イスラエル警察から睨まれているのだ。今は保護観察下におかれていて、デモへの参加は厳しく禁じられている。


再び美容院。ウェディングドレスに身を包まれているモナだが、悲しげな顔をしている。
姉アマルは、結婚の一日を記録するビデオカメラに向かって、花婿タレルへのメッセージを語り出す。
「今日が姉妹最後の日。私の宝をあなたに託す」。
家に戻ったモナは、村の人々の祝福で迎えられる。長老たちも集まってきた。掟を破ったハテムの帰郷を許さない長老たちは、信仰に背いて彼を迎えれば縁を切る、とハメッドに迫る。ハメッドは、今日を逃せば、息子は永遠に妹に会えなくなる、と伝えるが長老たちには受け入れない。






ゴラン高原、国連事務所。国際赤十字のスタッフであるジャンヌが、今日のモナの結婚式について同僚と話している。
花嫁は“境界線”を越えたらシリア国籍が確定し、イスラエルへの入国は不可能になる。越えたら最後なのだ、と。


「モナのことを考えて。笑顔で嫁がせなきゃ。刑務所はもうイヤよ」。
父は、アマルの必死の反対を押し切ってデモへ参加する。


室内、モナとアマル。結婚への不安を打ちあけるモナ。例えうまくゆかなくても、もう村には帰れないのだ。そんな妹をやさしく励ますアマル。
そうこうするうちに、ハテム一家が実家に到着。
息子の8年ぶりの帰郷に母は感涙し、家族は再会の喜びでいっぱいだ。父ハメッドを除いては。


村では花嫁だけのパーティが盛大に始まった。
アマルの自宅では夫婦喧嘩の真最中だ。世間体ばかりを気にする夫に、アマルは嫌気が差している。


いよいよモナは、祝福されながら家を出発する。


モナ一家は“境界線”に到着し、シリア側には花婿タレルも到着。
ところがそこへ、イスラエル警察が父を連れ戻そうと追って来た。警察が父を連れていこうとしたその時、弁護士のハテムが立ちはだかり、逮捕状のない不当な逮捕を阻止する。


モナがシリア側へ渡るための手続きを行うイスラエルの係官も到着し、彼女の通行証にイスラエルの出国印が押される。
国際赤十字のジャンヌがモナの通行証を持ってシリア側へゆく。モナの代わりに、彼女が指定の手続きを踏まねばならない。手続きの終了を待つ家族。しかし、ここで思わぬトラブルが発生し…。

果たして花嫁モナは、無事に境界線を越えて嫁げるのだろうか!?