◆神秘の国キルギス◆

中央アジアのスイス――神秘の国キルギス

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標高5000メートルを越える天山山脈のふもとに広がる山岳と草原の国キルギスは、風光明媚な立地から“中央アジアのスイス”と称されている。かつて、アジアとヨーロッパを結ぶシルクロードの一地点とて栄え、様々な国の人々の往来があった。
本作の舞台である村は、“中央アジアの真珠”と呼ばれるイシク・クル湖のほとりに位置する。20mを超す透明度を誇る美しいこの湖は、天山山脈の山間に隠され、“幻の湖”といわれていた。ソ連時代には高官専用の保養地として外国人の入境は禁じられていた。今では夏ともなると湖水浴を楽しむ客で賑わう。

今なお色濃く残る遊牧民的スピリット!

『元来、遊牧民族であったキルギス民族。今では、ごく少数が夏場だけ山岳地帯で遊牧生活を行うくらいで、大多数の人が定住生活を行っている。だが、その精神は今尚、脈々と受け継がれている。本作『明りを灯す人』の中でも、その頃の生活習慣や風習が映し出される。

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<カルパック>
明り屋さんや村の長老たちがかぶっている帽子。

羊毛で作られたキルギス族伝統の帽子である。都会の若者たちがカルパックをかぶることはあまりない。結婚式などの正装時に着用される。もちろん新郎も着用する。

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<コクボル>
村の広場で行われる競技。

頭を落とした羊を奪い合う伝統の騎馬競技。勝利したチームは奪った羊を褒美として食する。今では、羊の代わりに砂をつめた袋やボールを使用したりする。スポーツとして、キルギスだけでなく、その他の中央アジアの国々でも大会が催されている。

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<ユルタ>
中国人投資家を接待する時に組み立てられるテント。

中国のパオやモンゴルのゲルと同じ遊牧民の移動式住居。ユルタにはキルギスの象徴ともいうべき三本枠が交差するテュンデュックと呼ばれる天窓がある。キルギスの自由の女神といわれるエルキンディック像が掲げる輪もこの天窓であり、国旗にも天窓がデザインされている。

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