◆スタッフ◆

撮影:ユー・リクウァイ(余力為)

1966年香港に生まれる。ベルギー国立高等舞台芸術学院(INSAS)で映画撮影を専攻。 撮影監督として、97年にジャ・ジャンクー監督の『一瞬の夢』に参加。その後『プラットホーム』、「In Public」、『青の稲妻』、『世界』、「東」、『長江哀歌』と、ジャ・ジャンクー作品になくてはならない存在となる。本作では実際の労働者たちのインタビューなど、ドキュメンタリー部分の撮影を担当。  また監督として、99年に長編デビュー作『天上の恋歌』で、カンヌ国際映画祭のコンペティション部門にて正式上映されるという快挙を成し遂げた。2003年には『オール・トゥモローズ・パーティーズ』を手がけ、続く04年には韓国・全州映画祭のオムニバス作品「三人三色」にポン・ジュノ監督と石井聰亙監督とともに参加した。そして、08年には主演にオダギリ ジョー、共演に香港からアンソニー・ウォンを迎え、全編ブラジルロケを敢行した『PLASTIC CITY プラスティック・シティ』を完成させ、ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門にて上映。撮影監督としても監督としても世界をまたにかけて活躍している。

撮影:ワン・ユー (王c)

1989年北京電影学院撮影科卒業。2000年ロッテルダム国際映画祭グランプリを受賞した『ふたりの人魚』、03年の『パープル・バタフライ』等、ロウ・イエ監督の撮影監督として活躍。その他、代表作に『たまゆらの人』、『呉清源 極みの棋譜』などがある。本作では俳優たちの演じるフィクション部分の撮影を担当している。いま中国で最も注目されているカメラマンの一人である。

音楽:リン・チャン(林強)

1964年、台湾生まれ。台湾のロック・シンガー、作曲家としてカリスマ的人気を誇る。ホウ・シャオシェン監督に俳優としての素質も見込まれ、93年『戯夢人生』に出演。その後も『好男好女』『憂鬱な楽園』に出演。『憂鬱な楽園』では音楽も担当。また同じくホウ・シャオシェン監督の『ミレニアム・マンボ』でも音楽を手がけ、高い評価を得る。93年に発表したアルバム「娯樂世界」以降、自らステージに立つことをやめ、プロデュースや作曲活動に専念。ジャ・ジャンクー監督作品では2004年『世界』に参加。06年、『長江哀歌』では、中国の伝統歌劇「林沖夜奔」をコンピュータでアレンジし、映画により美しさと余韻を与えた。 ノイズ、アンビエントといったジャンルにまで才能を広げ活躍中。

音楽:半野喜弘

1968年、大阪に生まれる。映画音楽からオーケストラ作品、エレクトロニクスミュージックにいたるまで、幅広く世界中で活躍する音楽家。97年ベルギーのレーベルからリリースされた作品で注目を集め、 2000年パリへ活動の拠点を移す。そのジャンルを超越した創作活動は独自の存在感をもって受けとめられている。ホウ・シャオシェン監督作品『フラワーズ・オブ・シャンハイ』で“新たな映画音楽作家の発見”との評価をうけて以降、ジャ・ジャンクー、ユー・リクウァイといった現代アジアを代表する監督たちと共同作業を重ねている。その繊細かつ豊潤な音楽は、熱狂的な信者を獲得しつつも、常に変貌を遂げ、「僕の音楽は人間の根源的な苦しみと喜びへの普遍的な讃歌なんだ」と本人が語るサウンドは、常に斬新な感動を聴く者に与え続けている。
Cirque/Cirque.Mavo , op.disc 主宰 http://www.yoshihirohanno.com