不器用な二人の小さな一歩。
悩みもすべて抱きしめて世界はかすかに輝きだす。
高校一年生の新学期。喋ろうとするたび言葉に詰まってしまう志乃は、自己紹介で名前すら上手く言うことが出来ず、笑い者になってしまう。ひとりぼっちの高校生活を送る彼女は、ひょんなことから同級生の加代と友達になる。ギターが生きがいなのに音痴な加代は、思いがけず聴いた志乃の歌声に心を奪われバンドに誘う。文化祭に向けて不器用なふたりの猛練習が始まった。コンプレックスから目を背け、人との関わりを避けてきた志乃と加代。互いに手を取り小さな一歩を踏み出すが――。
あの頃、誰もが抱いた苦悩や葛藤。戻れないからこそ現在を照らしてくれる、つたなくて、いとおしい日々。胸を打つラストに涙溢れる、傷だらけでまぶしい青春映画の傑作が誕生した!
全世代が感動、共鳴した
押見修造・人気コミック待望の映画化!
気鋭監督・湯浅弘章×脚本・足立紳(『百円の恋』)が瑞々しく繊細に描く
思春期の少年少女をモチーフに、独創的な作風で「惡の華」「ぼくは麻理のなか」等の傑作を生みだしてきた人気漫画家・押見修造。自身の体験をもとに描いた代表作「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」は、発表と同時に幅広い世代の読者を感動の渦に包み、大きな反響を呼んだ。待望の映画化でメガホンをとったのは、本作で満を持しての長編商業映画デビューを果たす気鋭・湯浅弘章。脚本を『百円の恋』で日本アカデミー賞最優秀脚本賞など数々の賞に輝いた足立紳が務め、瑞々しい映像と繊細な脚本で十代の揺れ動く心の機微を映し出す。また、物語の舞台となる90年代の音楽シーンをリードした、ザ・ブルーハーツ、ミッシェル・ガン・エレファントなどの楽曲も登場、物語をエモーショナルに彩る。
注目を集める十代の実力派女優 南沙良×蒔田彩珠 ダブル主演!
本作では、次世代を担う同年齢の実力派女優がダブル主演を務める。志乃を演じるのは、現役モデルにして『幼な子われらに生まれ』に出演、女優としても注目を集める新星、南沙良。加代を『三度目の殺人』やドラマ「anone」などでの高い演技力が記憶に新しい、蒔田彩珠が熱演。思春期、真っただ中の二人が観る者の心震わす体当たりの演技をみせる。更に、志乃と加代の同級生・菊地を『帝一の國』『あゝ、荒野』と話題作への出演が続く萩原利久が演じるほか、奥貫薫、山田キヌヲ、渡辺哲ら、ベテラン俳優陣が脇を固めている。